美しく

カテゴリー:司会お仕事日記
2017.07.25

司会のお仕事の道を拓いてくれた恩師が逝去されました。

病気のことを知らなかったので、突然の知らせにたいへん驚いています。

 

鈴木部長

 

今の肩書きは専務でしたが、部長の肩書きが長かったため、今日のお通夜では、まるでニックネームのように、周りもみんな「鈴木部長」と。

 

 

 

 

「部長」に初めて会ったのは、高校一年生の時です。

はじめて司会のお仕事でステージに立つときに、ご指導いただきました。

 

何度も何度もチェックを受け、たくさん指摘してもらい、時間をかけて、デビューにいたりました。

 

デビュー当日は、ステージに出る直前の私の顔を見て「口紅の色が薄い!」と、ご自分の真っ赤なルージュをつけられたこと、今でもはっきり覚えています。

 

 

年月を経て、私が少しずつ経験をかさねるにつれて、年相応のお仕事をくださり、幅を広げてくることができました。

 

 

 

 

「部長」は、どんな現場でも、常に「美しく」とお話されていました。

 

「部長」が作るファッションショーは本当にきれいだったし、

式典のアテンダントさんやコンパニオンさんは、「部長」のアドバイスで、コスチュームの着こなしや立ち居振る舞いもみるみる美しくなります。

 

 

セレモニーでも、大会でも、イベントでも、

イメージに合わせた装飾と、雰囲気を盛り上げるBGMにこだわり、

その曲にのせて司会のコメントが入るタイミングもきっちり指示をくれました。

 

 

司会者にも、正しくきれいな言葉遣いはもちろん、立ち居振る舞い、仕草、髪型、メイク、衣裳全てにおいて「美しく」いることを意識しなさいとおっしゃっていました。

…なかなかお応えできずにおりましたが

 

 

 

私が、現場の内容によって、衣裳の色にこだわったり、

また、ただアナウンスをするのではなく、BGMにあわせて、盛り上がるようにだまって曲を聴かせる部分を作ってしまうところも、

「部長」の美しい現場を見てきたからだと思います。

 

 

 

たくさん怒られて、

たくさん褒められて、

まだまだ教わりたいことがあったのに、本当に残念です。

 

 

 

棺の中のお姿、部長らしい、美しい青いジャケットと水玉のスカーフ。

いつもの「みうたかちゃん」と呼んでくださる声が聞こえてきそうでした。

 

 

 

鈴木専務…そして今日は特別に昔の呼び方で…鈴木部長、

本当にありがとうございました

 

 

これまで何度も、数えきれないほど言ってきた、この言葉、

最後になってしまうのが、とても悲しいですが…

 

 

 

お疲れ様でした

 

 

 

 

 

 

 

 

フリーアナウンサー  三浦貴子

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