お騒がしゅういたしました
カテゴリー:言葉を紡ぐ
2017.04.13
今日、仙台では、ソメイヨシノの満開が告げられました。
近所の公園も、桜満開。
春真っ盛りです。
今日は、市川海老蔵「古典への誘い」仙台公演を観てきました。
「古典への誘い」は、タイトルの通り、歌舞伎に限らず、能、狂言、舞踊、生花、日本の伝統文化を誰でも楽しめるようにと、その日に行われる演目を冒頭で解説してくれます。
緞帳の前、下手側に、一人の歌舞伎役者さんが登場。
季節の話題からはじまり、今日の演目のご紹介へ。
自然で、それでいて表情豊かな解説に、期待が高まります。
そして、お話を終えて、幕の後ろへ下がるとき、
「さて、長々とお騒がしゅういたしました。それではどうぞお楽しみください」と。
「お騒がしゅういたしました」
新鮮な響き。
私の司会では、まず使わない言葉。
ほんの少し時代を超えた響きをはさむことで、幕の内側の世界へすーっと溶け込むよう。
古典の世界と、今の世界。
その間にある、時間や、空間、心の距離を埋めるのが、ご案内役。
以前、…はるか昔、こども向けキャラクターショーのMCで、その世界との橋渡し役だと教わったことを思い出しました。
そう思うと、司会の枠付けは、どんなイベントでも、ステージと客席を繋ぐ橋渡し役です。
「さて、お騒がしゅういたしました」とのご案内。
粋ですね。
いつか使ってみたい…
フリーアナウンサー 三浦貴子