「さすがですね〜」
カテゴリー:気になる言葉遣い
2017.06.23
ペッパーくんが、一人、クイズを出していました。
みんな、眺めながら通り過ぎていきます。
人が途切れたところで、近寄ってみました。
「この乗り物はなんでしょう?」
…
「これは、パトカーです。勉強になりましたか?」
なんだかくやしい。
「この乗り物はなんでしょう?」
ショベルカー
「正解!よくわかりましたね」
拍手をしてくれるペッパーくん。
「では、この乗り物はなんでしょう?」
電車
「正解!さすがですね〜」
なんだか、下からの「上から目線」。
日常会話では、相手を褒める機会も少なくありませんが、
こうした場面にも敬語の落とし穴がひそんでいます。
「さすがですね」の言葉に敬意は薄く、相手の能力を評価する言葉。
上司や指導者といった相手を評価する立場にはないものが使うのは適切ではありません。
本来、目上の人を褒めること自体、難しいことです。
素直に自分の感想に置き換えた方が非礼にならずスマートです。
「さすがですね」よりも
例えば、「すばらしいですね」という感想。
例えば、「迅速、正確なお答えに 感動しました」
例えば、「的確なお言葉に たいへん感銘をうけました」
あらら?
ペッパーくんと私の間に目上も目下もありませんよね。
ともすれば、物理的に私が見下ろしているので、私の方が目上なんて思っていたのかも。
そもそも、クイズを出して私に乗り物について教えてくれていたのだから、
この場合、ペッパーくんは、私にとっての指導者なのでは?
それならば、たいへん失礼いたしました。
有意義な学びの場をいただき、たいへん勉強になりました。
ペッパー先生、さすがですね〜。
ん?
フリーアナウンサー 三浦貴子