お餅つき
カテゴリー:ブライダル風景
2022.11.19
今日は、婚礼司会のお仕事でした。
新婦は、福島県浪江町のご出身。
東日本大地震で、大きな被害にあわれた地域です。
新婦家におかれましても、福島県外各地での仮住まいを経て、現在は仙台にお住まいです。
ずいぶん昔のこととなりますが、私がご婚礼司会を始めたばかりのころは、
福島県のご両家でのご宴席では、伊達政宗公に関わることは気を配るようにとよく言われてきました。
政宗公の会津侵攻、それが蘆名氏の防戦に阻まれ、
その後、数年をかけて中通りの安達郡や安積郡の領主たちを服属させて、若松を占拠。
伊達軍による勝ち戦の直後、政宗公の歌った凱旋歌「さんさ時雨」は、
宮城を代表するお祝いの席に欠かせない民謡となりました。
でも、立場が変われば、会津、福島の皆さんには「さんさ時雨」は、辛く悔しい歌となるはずです。
ご出身地を鑑みて対応するように言われてきました。
そのとおりだと思ってきましたし、福島のご家族のご宴席司会では、
政宗公にちなんだことは極力ふれないようにしてきました。
本日のご宴席での新郎新婦の初めての共同作業は、
ウェディングケーキ入刀 ならぬ・・・
お餅つき!
おもちのおふるまいは、政宗公も大好物だった仙台名物 ずんだもち。
ずんだもちといえば、
ご宴席の結びのご両家親御さまからのごあいさつで、
仙台に住むことになって、ここ仙台は多くの方に支えてもらった新たな故郷とお話でした。
福島からお越しの皆さまにも、仙台のおいしいものを食べて欲しい、そのお気持ちからの ずんだもち。
こうした場面で「政宗公にふれずに、どんなコメントにしよう…」
そんなことではなく、
そのまっすぐなお気持ちに、はっと目が覚める思いでした。
ご両家が結んだ和やかなご宴席に、私も心の壁を取り払わなければと思う機会となりました。
フリーアナウンサー 三浦貴子