さんさ時雨
カテゴリー:ブライダル風景
2017.03.25
今日は大安。
お日柄のよい土曜日ということもあって、宴席も多かったようですね。
私も、今日は、結婚ご披露宴の司会でした。
会場では、宴席が多かったこともあり、同じ司会のお仕事に携わるお友だちにも多く会えたりと、楽しい一日でした。
さて、今日のご披露宴を承った新郎新婦は、やはり、和のご結婚式、ご披露宴でした。
白無垢でのお式のあと、ご披露宴では、ご両家のお母様にお選びいただいたという朱地に鶴の柄の色打掛。
とてもきれいでした。
入場は、新郎が新婦をお守りするという気持ちを表すかのように、番傘を差し掛けての登場。
宮城民謡「長持唄」にのせてのお進みでした。
そして、飛び入りでお祝いのお唄がひとつ。
やはり宮城民謡の「さんさ時雨」です。
宮城ではなじみ深く、お祝いの席では欠くことのできない唄です。
最近のご披露宴では少なくなって来たものの、
伴奏はないままに、生唄で唄われると、会場から、自然と手拍子がおこり、「はぁ、めでたい、めでたい」の合いの手が入ります。
さんさ時雨か 茅野の雨か
音もせできて 濡れかかる
勝凱な
摺上原の戦いで勝利した政宗公が会津の黒川城に入城した日は、小雨が降っていたそうです。
さすが、御屋形様、雨男。
そうしたなか、伊達重宗公が、勝利の雨が降る様を、「さんさ」と表し、即興で唄ったものが元唄とされています。
以来、ご婚礼、新築など、人が集う様々なお祝いのお酒の席で、手拍子にのせて唄い継がれてきました。
以前は、結婚披露宴でも、大切なお祝いの唄だからと、乾杯よりも前、ご来賓祝辞と同等での扱いをするほどでした。
それぐらい、大切に愛されてきた民謡です。
ただ、気をつけなければならないことが。
ここ宮城の地のご宴席でも、福島の方、とくに会津地方の方とのご婚儀では、さんさ時雨はご披露しないこととされています。
歴史は立場で正義が異なりますからね。
現代のご婚礼でも、失礼のありませんように。
フリーアナウンサー 三浦貴子