プロ意識を発見
カテゴリー:司会お仕事日記
2017.03.29
イベントMCで訪れた、宮城県北部のあるホールの舞台袖。
影アナウンスのための机の横に、一枚のクリアファイルが提げられていました。
通常、舞台袖にある資料といえば、
会場使用上の注意事項、開場アナウンスの注意点コメント、非常口などを記した会場案内図など。
ところが、こちらの会場のものは、全く違いました。
A4版の一枚の用紙に書かれたタイトルは、
「舞台音響ってなんだろう?」
音色、音質は、聴く人によって感じ方が違うため、ベストサウンドを求めるにはかなりの経験と努力が必要になる、と。
生活の中に一般使用のオーディオが浸透しているため、舞台音響が誰にでも出来ると勘違いされていることが大きな落とし穴。
これまではPA(Public Addres)であったのが、
これからはSR(Sound Reinforcement)を目指して行くべき。
“講演” では、隅々に居るお客さまにまでわかりやすい明瞭度。
“コンサート” では、躍動的な立体音像の体感。
“舞台” では、異次元の世界へ誘う繊細でダイナミックな芸術。
オペレーターが出演者と同じ気持ちで仕事をしていくことに醍醐味があるのだ…
こうした内容がびっしりと書いてありました。
本番前ですが、プロ意識あふれる一枚に見入ってしまいました。
ステージは、大勢のスタッフの力が集まって作り上げられます。
観客席のお客さまの喜ぶ顔を思い浮かべて、良いものを作ろうという気持ちが伝わってきました。
注意事項ではなく、自分たちの熱い思いを、こうした舞台袖にそっと置いているところも、かっこいいですね。
あ、注意事項は、机の上、ビニールのデスクマットにありました。
こっちも大事です。
フリーアナウンサー 三浦貴子