坂口安吾
カテゴリー:言葉を紡ぐ
2022.10.20
オーディオブックの朗読のお仕事をいただいています。
以前に読んで納品していた作品が、
Amazonのオーディオブック、Audibleで、本日、配信開始されました。
坂口安吾の「風博士」と「アンゴウ」です。
以前に、坂口安吾の作品では「日本文学名作集」内で「桜の森の満開の下」を担当しましたが、
また、こちらとは、タイプの大きく異なる2つの作品。
声に出して全編読んでいくと、目で読むよりも、作家の文体、書きぐせが、目立ちますが、
坂口安吾の文章は、展開も、言葉選びも、大好きです。
「風博士」、「アンゴウ」、
どちらも心温まるお話ではありますが、方向がまったく異なります。
「風博士」は、ユーモアのあるナンセンス文学。
風博士と蛸博士、どちらが正義なのか、悪人なのか・・・
「アンゴウ」は、戦禍をくぐりぬけた本に残された暗号をたどる物語。
主人公の妻の名前が「タカ子」で、自分の名前がしょっちゅうでてくるのは不思議な感じではありましたが、
地元、仙台の広瀬川をのぞむ高台も登場し、具体的に情景を浮かべながら読むことができました。
「風博士」も「アンゴウ」も最後にハッとさせられます。
とくに「風博士」は、最後の最後の一文に。
どうぞ、「耳」で読んでみてください。
フリーナレーター 三浦貴子